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慢性心不全看護認定看護師より:第24回 身体所見のとりかた ③肺の聴診について

今回は肺の聴診についてお伝えします。通常、正常な呼吸数は1分間に12~18回でリズムも規則正しいですが、心不全を疑う呼吸困難などの時には、横になると呼吸が苦しくなるか、夜苦しくて目が覚めるようなことがあるかなど状況を聞いてみます(問診)。そして肺の音を聴き(聴診)、頸静脈が...

新型コロナウイルス感染症「地域で関わる皆さまへアンケート調査」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け 、医療・介護従事者の皆さまにおかれましては、ご心労いかばかりかとお察し申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本では医療崩壊を防ぐために、重症者の治療とケアの観点から、高度医療を実施する医療機関を中心に注意が向けられていま...

慢性心不全看護認定看護師より:第23回 身体所見のとりかた ②頸静脈怒張について

頸静脈視診は簡単に行えるので、心不全診療においてぜひ活用したいアセスメントです。 頸静脈は右心の手前にあるため、頸静脈が怒張しているということは、全身から心臓に向かう血管の「交通渋滞」が起きているということが考えられます。坐位で頸静脈が怒張していて、仰臥位にてその増強を認め...

急性・慢性心不全診療心不全ガイドライン:Vol.4 診断 番外編

地域で心不全医療を行っていると、「これは心不全?どのタイミングで専門の先生に聞いたらよいの?」そんな声を多く聞きます。私も作成メンバーとして関わらせていただいた「急性・慢性心不全診療ガイドライン かかりつけ医向けガイダンス」では、そんな質問に回答するべく、患者への問診の際に...

慢性心不全看護認定看護師より:第22回 身体所見のとりかた ①浮腫について

浮腫には全身性と局所性があります。全身性浮腫では心臓・腎臓・肝臓の疾患で生じることが多くあり、栄養状態の低下・内分泌性・妊娠性・薬物性などでも浮腫をきたします。また高齢者では病気によるものではなく、高齢者特有の生活習慣(長時間同じ姿勢をとり続けるなど)によって足の浮腫みがあ...

慢性心不全看護認定看護師より:第21回 左室駆出率について

左室駆出率(LVEF=Left Ventricle Ejection Fraction)とは左室の収縮機能(ポンプ能力)を測るために用いられる指標で、通常のLVEFは50~70%と言われています。 LVEFは左室拡張末期容積に対する左室駆出血液量の比で、心エコーで行われる診...

慢性心不全看護認定看護師より:第20回 便秘について

便秘の自覚はありますか?下記、6項目のうち何項目にあてはまりますか? 排便の4回に1回は、いきみがある 排便の4回に1回は、兎糞状便または硬便がある 排便の4回に1回は、残便感を感じる 排便の4回に1回は、閉塞感やつまった感じがある...

慢性心不全看護認定看護師より:第19回 栄養管理② 栄養状態の評価

慢性心不全の栄養管理は、前回お話したように病期ごとに治療内容と目標が異なります。心不全患者の栄養状態の評価は、体重・BMIなど身体計測に加えて、簡便な栄養スクリーニングを行い、その後詳細な栄養アセスメントをすると良いと思います。栄養評価ツールとしては、以下のようなものがあり...

慢性心不全看護認定看護師より:第18回 栄養管理① 総論

心不全といえば、とりあえず塩分制限? 心不全のステージはA・B・C・Dと4つのステージがあり、ステージに応じた栄養管理が必要となります。 ここでは、ステージCとステージDについてみていきます。 心不全発症後のステージCは、適正なエネルギーを摂取しつつ体液貯留の誘因となりえる...

心臓リハビリテーション指導士より:第17回 身体活動

心不全の方は、たくさん動いたらダメでしょうか? 心不全症状の増悪因子の一つに過剰な身体活動量(過労)があります。心不全患者さんは入院中に身体活動量を制限するように指導されますが、在宅生活を送る上でその制限を守ることは難しい症例を診ることがあります。...

慢性心不全看護認定看護師より:第16回 旅行

心不全患者さんから旅行に行きたいと言われた時、どのように答えたらよいでしょうか。 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)には、「旅行に伴う心不全増悪の危険性や、旅行中の急性増悪時の対処方法、旅行時の食事内容や食事時間の変化、気候の変化、運動量の変化などが心不全...

慢性心不全看護認定看護師より:第15回 入浴

心臓に負担の少ない入浴とは、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか? 「急性・慢性心不全診療ガイドライン2017」には、「入浴は慢性心不全患者において禁忌ではなく、適切な入浴法を用いればむしろ負荷軽減効果により臨床症状の改善をもたらす」とあります。...

慢性心不全看護認定看護師より:第14回 感染予防とワクチン

心不全患者では、感染症を契機に代謝更新、発熱、頻拍などを引き起こし、症状の増悪をきたすことが多くあります。心不全増悪で再入院する原因の約20%が感染によるものだと言われています。感染症にも色々ありますが、風邪などが多いこの寒い時期は、手洗いやマスクなどに加えて、室内の温度や...

慢性心不全看護認定看護師より:第13回 セルフケア概論 (後編)

心不全患者さんのセルフケア指導に難しさを感じることはありませんか。 セルフケア概論(前編)でお伝えした心不全の増悪因子の中には、セルフケア支援で約50%の再入院が予防できると言われているくらい、療養生活そのものが関与しているものが多くあります。それくらい、心不全においてはセ...

慢性心不全看護認定看護師より:第12回 セルフケア概論 (前編)

心不全は患者の自己管理が重要な役割を果たし、自己管理能力を向上させることにより、予後は改善することが知られています。しかし、心不全指導をしても、患者自身が生活の中に取り入れられなければ意味がありません。 心不全という病気や症状、薬の重要性などを患者さんに理解してもらい息切れ...

慢性心不全看護認定看護師より:第10回 低心拍出症候群

「疲れやすくなっており、寝ていることが多くなっています」 訪問看護師さんからこのような訴えを聞くことがあります。心不全の症状には、うっ血症状(静脈性うっ血:右心不全と肺うっ血:左心不全)、そして今回お伝えする低心拍出症候群があります。...

慢性心不全看護認定看護師より:第9回 左心不全症状

「横になると苦しい、座っているほうが楽」 心不全患者さんからはこのような訴えが多く聞かれます。左心不全の症状は、「肺うっ血による症状」と「心拍出量低下による症状」に分けられます。何らかの原因で左心系の機能不全がおこり、心臓から血液を送り出せなくなると、左心房・左心室の圧が上...

慢性心不全看護認定看護師より:第8回 右心不全症状

「お腹が張って、便の出が悪くなります」 心不全患者さんからはこのような訴えが多く聞かれます。全身を循環した血液は、心臓の右心房に戻ります。なんらかの原因で右心系の機能不全がおこり、心臓に戻るべき静脈系が全身でうっ滞し、諸臓器にうっ血、浮腫をきたす症状を右心不全症状といいます...

慢性心不全看護認定看護師より:第7回 心不全の症状:総論

心不全は、心臓の疾患によって起こる「症候群」です。 心臓は、なんらかの原因(心筋梗塞、心筋症、弁膜症など)により、心臓のポンプ機能(収縮や拡張する力)が低下しています。でも、身体はそのまま放置するわけではなく、神経系や内分泌系に働きかけて、なんとか影響がでないように頑張って...

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