心不全患者では、感染症を契機に代謝更新、発熱、頻拍などを引き起こし、症状の増悪をきたすことが多くあります。心不全増悪で再入院する原因の約20%が感染によるものだと言われています。感染症にも色々ありますが、風邪などが多いこの寒い時期は、手洗いやマスクなどに加えて、室内の温度や湿度の調整などの感染症予防が必要です。さらに肺炎を繰り返す高齢者では、口腔内の衛生や食中後の体位など生活指導も行います。
インフルエンザや肺炎球菌に対するワクチン接種はガイドラインでも推奨され、重症合併症を防ぐ効果が期待されます。
【問題】
ワクチン接種について間違っているのはどれか?
①インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種する場合、間隔を約1ケ月空ける。
②すべての心不全患者、特に重症患者では病因によらずインフルエンザに対するワクチンを受けることが望ましい。
③インフルエンザワクチンも肺炎球菌ワクチンも自費診療ではあるが、各市町村によっては補助金制度や公費助成制度がある。
のぞみハートクリニック(大阪)
慢性心不全看護認定看護師
富山 美由紀
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