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慢性心不全看護認定看護師より:第16回 旅行

心不全患者さんから旅行に行きたいと言われた時、どのように答えたらよいでしょうか。


急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)には、「旅行に伴う心不全増悪の危険性や、旅行中の急性増悪時の対処方法、旅行時の食事内容や食事時間の変化、気候の変化、運動量の変化などが心不全に及ぼす影響、旅行前の準備に関する情報提供を行う」とされています。もちろん重症度によりますが、患者さんに「誰と」「どのような交通機関を使って」「どこに行くのか」を聞いてみましょう。お薬、各手帳(お薬、ICDなど)を忘れずに持っていくことも大切です。

旅行には人生に潤いを与えてくれる楽しみがある一方、重症患者では心不全が悪化する危険性も高まる為、事前の準備を入念に行う必要があります。


問題

旅行について間違っているのはどれでしょうか?

①飛行機内では酸素濃度が地上の70~80%位となる。

②飛行機内では湿度が低下しており脱水の危険性が高まる。

③たくさんの方と一緒の団体旅行は、何かあっても安心できる。

④お薬は、旅行日数分忘れずに持っていく。



のぞみハートクリニック(大阪)

慢性心不全看護認定看護師

富山 美由紀




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