心不全患者さんのセルフケア指導に難しさを感じることはありませんか。
セルフケア概論(前編)でお伝えした心不全の増悪因子の中には、セルフケア支援で約50%の再入院が予防できると言われているくらい、療養生活そのものが関与しているものが多くあります。それくらい、心不全においてはセルフケアが重要とされています。
心不全患者のセルフケアは、「セルフケア・メンテナンス」と「セルフケア・マネジメント」で成り立ち、それらは「セルフケア・コンフィデンス」の影響を受けます。
セルフケア・メンテナンスは、心不全を安定化させるための行動で、心不全の症状と徴候を確認する「症状モニタリング」と、適切な内服・生活管理や定期的な外来受診など、心不全増悪を予防する行動の「治療アドヒアランス」から成り立っています。
セルフケア・マネジメントは、心不全が増悪した際の意思決定の過程を反映しており ①症状・徴候の認識 ②症状・徴候の評価 ③適切な療養行動の実行 ④療養行動の評価からなっています。
セルフケア・コンフィデンスとは、「セルフケアを行う自信」のことでセルフケアを行う上で土台になるものです。
【問題】
次のうち、誤っているものはどれでしょうか。
①セルフケア能力を向上させることにより、生命予後の改善が期待できる
②セルフケア能力を向上させることにより、QOLの改善が期待できる
③症状モニタリングは、心不全増悪の症状・兆候を早期に発見に役立つ
④退院後の受診頻度は再入院のリスクと関連しない
ゆみのハートクリニック(東京)
慢性心不全看護認定看護師
髙圓 恵理
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