top of page

慢性心不全看護認定看護師より:第5回 呼吸

更新日:2018年11月27日

「呼吸が苦しそうです」

夜中に家族からそんな電話はありませんか?

呼吸と循環は切り離せない関係です。まずは呼吸の基本をおさらいしてみましょう。


呼吸の役割

呼吸の4つのステップを確認してみましょう。

  1. 大気と肺胞との空気の入れ替えを行う「肺胞換気」

  2. 酸素と二酸化炭素を血液と肺胞との間で入れ替えをするガス交換「外呼吸」

  3. 細胞が必要な酸素と排出された二酸化炭素を血液で運ぶ「ガスの運搬」

  4. 細胞まで運ばれた血液から細胞と血液間のガス交換「内呼吸」


呼吸の仕組み

呼吸数は1分間に12-15回(5秒に1回)、1回換気量は500mlのペットボトル約1本分の空気が出入りしています。

肺はゴムのように、自らの弾性で縮まろうとする弾力性組織でできていますが、自らの力で広がることはできません。

吸気は外肋間筋・横隔膜、呼気は弾性収縮が行われるので仕事量はゼロです。

つまり、これ以外を使っている呼吸は努力呼吸となります。


【問題】

呼吸の異常について間違っているのはどれでしょう。

①頻呼吸は、1回換気量は変わらない。

②過呼吸は、1回換気量が異常に増減する。

③チェーンストークス呼吸は、延髄の化学受容体がPaCO2の変動に敏感になるため起こる。

④クスマウル呼吸は、過呼吸、浅呼吸、無呼吸になり交代性無呼吸と呼ばれている。



ゆみのハートクリニック(東京)

慢性心不全看護認定看護師

髙圓 恵理




閲覧数:1,156回

最新記事

すべて表示

慢性心不全看護認定看護師より:第24回 身体所見のとりかた ③肺の聴診について

今回は肺の聴診についてお伝えします。通常、正常な呼吸数は1分間に12~18回でリズムも規則正しいですが、心不全を疑う呼吸困難などの時には、横になると呼吸が苦しくなるか、夜苦しくて目が覚めるようなことがあるかなど状況を聞いてみます(問診)。そして肺の音を聴き(聴診)、頸静脈が...

新型コロナウイルス感染症「地域で関わる皆さまへアンケート調査」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け 、医療・介護従事者の皆さまにおかれましては、ご心労いかばかりかとお察し申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本では医療崩壊を防ぐために、重症者の治療とケアの観点から、高度医療を実施する医療機関を中心に注意が向けられていま...

慢性心不全看護認定看護師より:第23回 身体所見のとりかた ②頸静脈怒張について

頸静脈視診は簡単に行えるので、心不全診療においてぜひ活用したいアセスメントです。 頸静脈は右心の手前にあるため、頸静脈が怒張しているということは、全身から心臓に向かう血管の「交通渋滞」が起きているということが考えられます。坐位で頸静脈が怒張していて、仰臥位にてその増強を認め...

Comments


bottom of page