top of page

慢性心不全看護認定看護師より:第4回 脈拍

更新日:2018年11月27日

今回は「脈拍」についてです。


「脈拍60回/分」正常ですか?


心臓が血液を送り出す際に全身の動脈に伝わる拍動が脈拍です。通常脈拍は橈骨動脈で測定していますね。成人の安静時の脈拍数は60~100/分程度です。では、測定したとき「脈拍数60/分」だけでいいのでしょうか。測定では数、リズム、大きさ、左右差などが確認できます。原則として脈拍数は心拍数と同数値になります。しかし、心室性期外収縮や心房細動などの不整脈があると心臓が拍動していても脈拍として伝わらないこともあり、必ずしも「心拍数=脈拍数」とはなりません。これは、心臓から十分に血液が送り出せていない状況で、脈が飛ぶ、ひとつ抜けるなどと表現されることがあります。心不全などによる頻拍などでも心拍数はカウントされていますが、拍動は触知することは出来ず、心拍数=脈拍となっていない場合があります。聴診器を使って心拍と同時に脈拍を測定すると分かりやすいです。脈拍数、心拍数などを確認することで、 全身に流れている血液を感じましょう。


問題

第3回は「血圧」でした。不整脈だけでなく、血圧が低下すると橈骨動脈の脈拍が触知できないことがあります。一般的には収縮期血圧がどのくらいになると触知できないでしょうか?

①40㎜Hg

②60㎜Hg

③80㎜Hg



のぞみハートクリニック(大阪)

慢性心不全看護認定看護師

富山 美由紀




閲覧数:15回

最新記事

すべて表示

慢性心不全看護認定看護師より:第24回 身体所見のとりかた ③肺の聴診について

今回は肺の聴診についてお伝えします。通常、正常な呼吸数は1分間に12~18回でリズムも規則正しいですが、心不全を疑う呼吸困難などの時には、横になると呼吸が苦しくなるか、夜苦しくて目が覚めるようなことがあるかなど状況を聞いてみます(問診)。そして肺の音を聴き(聴診)、頸静脈が...

新型コロナウイルス感染症「地域で関わる皆さまへアンケート調査」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け 、医療・介護従事者の皆さまにおかれましては、ご心労いかばかりかとお察し申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本では医療崩壊を防ぐために、重症者の治療とケアの観点から、高度医療を実施する医療機関を中心に注意が向けられていま...

慢性心不全看護認定看護師より:第23回 身体所見のとりかた ②頸静脈怒張について

頸静脈視診は簡単に行えるので、心不全診療においてぜひ活用したいアセスメントです。 頸静脈は右心の手前にあるため、頸静脈が怒張しているということは、全身から心臓に向かう血管の「交通渋滞」が起きているということが考えられます。坐位で頸静脈が怒張していて、仰臥位にてその増強を認め...

Comments


bottom of page