今回は「脈拍」についてです。
「脈拍60回/分」正常ですか?
心臓が血液を送り出す際に全身の動脈に伝わる拍動が脈拍です。通常脈拍は橈骨動脈で測定していますね。成人の安静時の脈拍数は60~100/分程度です。では、測定したとき「脈拍数60/分」だけでいいのでしょうか。測定では数、リズム、大きさ、左右差などが確認できます。原則として脈拍数は心拍数と同数値になります。しかし、心室性期外収縮や心房細動などの不整脈があると心臓が拍動していても脈拍として伝わらないこともあり、必ずしも「心拍数=脈拍数」とはなりません。これは、心臓から十分に血液が送り出せていない状況で、脈が飛ぶ、ひとつ抜けるなどと表現されることがあります。心不全などによる頻拍などでも心拍数はカウントされていますが、拍動は触知することは出来ず、心拍数=脈拍となっていない場合があります。聴診器を使って心拍と同時に脈拍を測定すると分かりやすいです。脈拍数、心拍数などを確認することで、 全身に流れている血液を感じましょう。
問題
第3回は「血圧」でした。不整脈だけでなく、血圧が低下すると橈骨動脈の脈拍が触知できないことがあります。一般的には収縮期血圧がどのくらいになると触知できないでしょうか?
①40㎜Hg
②60㎜Hg
③80㎜Hg
のぞみハートクリニック(大阪)
慢性心不全看護認定看護師
富山 美由紀
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