第2回は「組織の酸素化」について概説します。心臓は全身の組織に酸素化を保たせるために、血液を送るポンプの役割をしています。つまり、心臓が動いている主要な目的は「組織の酸素化」になります。
それでは、心臓の動きだけが良ければ組織の酸素化は保てるのか?逆に、心臓の動きが悪ければ組織の酸素化は低下するのか?これは目の前の患者さんをみるのにとても重要な考え方になります。
第1回の心臓の解剖で学んだように、肺で酸素を多く取り入れた血液は、左房、左室を経て、大動脈弁から全身の各臓器に酸素を供給します。組織への酸素供給量は以下の式で示されます。つまり、心拍出量(心臓の因子)、ヘモグロビン濃度(貧血の因子)、ヘモグロビンと酸素の結合の程度(肺の因子)の3つで規定されます。
組織への酸素供給量=心拍出量(一回拍出量×心拍数)×動脈血酸素含量(ヘモグロビン×1.34×動脈血酸素飽和度+0.003×動脈血酸素分圧)×10
【問題】
組織の酸素化を改善するために必要なことは何でしょうか?
①心臓の拍出量を増加させる
②脈拍を増やす
③貧血を是正する
④低酸素を是正する
のぞみハートクリニック(大阪)
慢性心不全看護認定看護師
富山 美由紀
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